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音楽療法の効果と注意点

今回は音楽療法についてお伝えしていきます。
音楽療法とは音楽を使って心身機能の維持、生活の質の向上、社会的スキルの習得、問題行動の改善など、計画的に行う音楽活動のことです。

音楽療法のメリット

ASDの児童と音楽療法をおこなう際どんな効果、メリットがあるのか一部をご紹介します。

<音楽を聴く・歌う・演奏する>
脳の「海馬」を活性化し、ストレス解消、リラックス効果の他に記憶力の向上にも繋がります。

<セッションにおけるアイコンタクトなど>
コミュニケーション能力が身に付きます。言葉がなくても相手を感じながら息を合わせることで社会性も身に付きます。

<音に合わせて動く、止まる>
聞く能力や集中力、注意力も身に付きます。
聞こえて来る音を反射的に聞き分け、情報として取り入れる能力の向上に繋がります。

気をつけることは?

効果が多い一方で、注意すべき点もあります。

自閉症スペクトラム(ASD)や発達障害の特徴として感覚過敏が挙げられます。
感覚過敏とは、感覚がとても敏感で日常生活をするにあたり不便が大きくあることをいいます。視覚過敏、触覚過敏、聴覚過敏などがあります。

私たちの生活には音が溢れています。
テレビから流れる音、会話、足音、サイレン、、
それらを過敏に感じてしまう児童がいるのです。

A君はおもちゃの鈴や太鼓を好み自由遊びをしていたので、リトミックで鈴を使うことにしました。ところが、いざ始めてみると耳を塞ぎパニックを起こしてしまったのです。
よく手にして鳴らしている楽器だから大丈夫だろう、と思っていたのが甘かったのです。
3、4人で鳴らす鈴の音はA君にとっては不快で苦痛でしかなかったのです。
イヤーマフラーをして落ち着きを取り戻しました。

もし、あなたの近くで風船の割れる音が突然耳の側で連続して聴こえてきたら驚きと共に恐怖、そして苦痛ではないでしょうか?
聴覚過敏の児童には日常の何気ない音が、風船が近くで割れるくらいに聴こえています。
そう考えると音楽療法を行う際の音量に対する配慮によっては、能力の向上に効果がでるのか、音によってパニックになってしまうかは紙一重かもしれません。

音に過敏な児童が音楽療法を行う際には

苦手な音の種類(高音、低音など)
音量は何処まで大丈夫か
どの楽器の音ならば心地良いのか
を事前に知っておく必要があります。

時にはイヤーマフラーを使用し、音量調節も必要となるでしょう。
音楽療法を行うことにより、聞こえてくる音の中から必要な情報をピックアップし、苦手を知り楽しさを得ながら、快感な音のつながりが周りの人とのコミュニケーション能力の向上、児童の成長の助けになることを願います。

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