チック症について
障がいへの理解が得られない場合や、適切なサポートが受けられずストレスが溜まり心身に様々な影響が出てくることを、二次障害(暴力的になる、鬱、引きこもり、自律神経失調症など)と呼びます。
その二次障害の中の1つに「チック症」というものがあります。
チック症は、脳内の神経伝達物質が過剰に作用することが原因の1つだと言われています。
二次障害は、「自分は周りの人達と何か違う」「一生懸命頑張っているのに、学習面・運動面・精神面などで周りの人達との差が開いてきている」と気づいてくる思春期からの発症が多いですが、チック症はもっと早い児童期から発症する可能性があり、女児(女性)よりも男児(男性)の方が多いようです。
チック症と言えば目をパチパチさせることや、首を傾ける仕草を思い浮かべる方が多いのではないかと思いますが、「これもチック症なの!?」と驚くような症状もたくさんあります。
例えば…
・喋ろうとすると「コンコン」と咳が出る
・顔をしかめる
・ジャンプを繰り返す
・目・口・髪の毛を触る
・唇を震わせる
・爪を噛む
・鼻をすする・鼻をならす
・繰り返し叩く・蹴る・触る
・口に入れた物を吐き出す
・舌打ち
・卑猥な言葉や、人を傷つけるような言葉、その場に合わない言葉を繰り返し言う
・「きゃ?」などと甲高い声を繰り返しあげる
・うめき声を出す
…などがあります。
ただの癖かと思っていたら実はチック症だった!ということもあるのではないかと思いますが、
ストレスを感じた時・不安な時・緊張した時・手持ち無沙汰な時に症状が出やすく
何かに打ち込んでいる時・リラックスしている時には症状が出にくい、寝ている時には症状は出ないという特徴がチック症にはあります。
無意識に身体が動き、声が出てしまうので、本人はチック症状が出ていることに初めは気づいていない場合が多いのですが、周りからの指摘で気づき、止めようと努力しても止めることが出来ず、ストレスが溜まり余計にチック症状が強く出てしまうという悪循環に陥ることがあります。
そうならない為にも、周りの人はあえて指摘をせずに「暖かい無視」「暖かい見守り」をしてあげてください。
チック症状を出すことによって、精神バランスを整えているとも言われていますので、必要以上に大騒ぎせずに、軽度の間は見守ってあげることが大切になります。
軽度の場合には、自然経過の中で症状が軽減していく、いわゆる時間が解決してくれる場合も多くあります。早寝・早起き・運動も効果的だと言われています。
しかし重症化し生活に支障をきたす場合もありますので、本人が困る症状が4週間以上続いている場合には、
医療機関を受診し、ご相談されることをお勧め致します。