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ヘリコプターペアレントが危ない!

「モンスターペアレント」や「毒親」はよく耳にすることがあると思いますが、『ヘリコプターペアレント』という言葉をご存じでしょうか?

ヘリコプターペアレントとは、まるでヘリコプターがホバリングをしているように親が子どもの頭上で旋回し、目を光らせている様子から名づけられた
“過保護かつ過干渉な親”のことを言い、わが子が失敗しないように上空で見張り続け、困難に遭遇しようものなら、すぐさま飛んでいって助ける親のことです。

過保護は “わが子への愛情ゆえ” と好意的にとらえていた時期もありましたが、最近ではいくら愛情あふれる温かい接し方をしていても、決して過保護による悪影響がなくなるわけではないと言われるようになってきています。

では『ヘリコプターペアレント』は、いったい何が問題なのでしょうか?

過保護に育った子どもは、喪失や失敗、失望など誰もが人生において避けられない状況に対処する方法を、まったく学ぶことがないまま成長してしまいます。
失敗から学ぶ教訓や、ひとりで問題を解決する力、試行錯誤しながら周囲とコミュニケーションを図る努力など、どれも生きていくうえで必要不可欠なことですが、子どもをすべての困難や失敗から遠ざけて傷つかないように守るヘリコプターペアレントの過剰な愛情は、自分の力で問題を解決し乗り越え成功する機会を奪ってしまい、子ども自身の成長を妨げてしまっているのです。

これらの力が身についていない子どもが社会に出たときに感じる『社会の厳しさ』は図り知れません。

またヘリコプターペアレントはわが子の人生や経験の多くを決めてしまうので、その子どもは圧倒的に『自分で決断する機会』が減ってしまいます。

決断力が欠如した状態で育つと、自分のことなのに何も決められないまま生きていかなければなりません。
さらに幼少期に失敗を重ねなかったことから、“完璧な自分” しか認められない、自分を好きになれない、などのネガティブな価値観形成や精神的な不安定さを引き起こす可能性も出てくるといわれています。

ヘリコプターペアレントになりやすい人にはどのような特徴があるのでしょうか?

◎完璧主義
子どもに対して”理想の子ども像”を求めるだけでなく、自分自身に対しても”理想の父親像・母親像”を求めており、やがて「子どもの評価=自分自身に対する評価」と思うようになるため「子どもの失敗=自分の失敗」だと捉え、子どもが失敗する前に手や口を出してしまうようになります。

◎気が利きすぎる
子どもが何も言っていないのに子どもの気持ちを察し、子どもの自主的な行動よりも先に注意換気のため口出ししてしまっているのは、過干渉といえるでしょう。

◎せっかち
素早く合理的に物事を終結させるためにあれこれと指示を出してその通りに行動させれば、無駄を省き最短でゴールにたどり着くことができますが、結果子どもは自分でSOSを出せなくなり、指示待ち人間になってしまいます。

共通していることは『子どもの失敗する機会を奪ってしまっている』ことです。
自分で考えて自発的に行動した結果、成功の喜びも失敗の悔しさも身体で覚えることができます。そのような体験の機会を奪うことは、子どもが大きく飛躍するきっかけを失うことにつながってしまうのです。

もし普段の親子の会話の中で、子どもの発言に「ママ、これどう思う?」「パパが決めて」などが多いようであれば注意が必要です。
できるだけ子どもが自分の行動に主体性を持つように、何気ない日々の会話にも「あなたはどう思う?」という質問を盛り込むように心がけてみましょう。

そして、過干渉・過保護・放任どれにも当てはまらないようにするためには『適度な距離を保つこと』です。

例えば公園に遊びに行った時に子どもが転んでしまうなど、何かに困っていることが分かっても駆け寄らず見守ります。
助けてほしければ必ず子どもからこちらに助けを求めにくるのでそれまでは見守り、いつでも助けを求めに来られる環境を作りましょう。

それこそが今の我が子との『適度な距離』です

子どもの自立をサポートすることが、その子の幸せであり、親の役目です。

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