運動療育について
運動療育について
日々の療育プログラムにて、運動や言語・言葉遊び、行動療法などたくさんのプログラムを実施する中で、運動療育について目的や効果についてまとめました。
運動療育とは
運動療育とは、運動を通して行う療育のことを言います。
運動療育を行う4つの目的
1.協調運動の発達を促すため
(協調運動とは、手と足、目と手など別々に動く部分を必要に応じてまとめて一つにして動かす運動のことを言い、縄跳びやスポーツなどは協調運動の一例です。)
運動を通して、感覚や行動の協調を学ぶことも目的のひとつです。感覚や行動の協調は日常生活や運動以外に、勉強や食事動作などにも必要です。
2.自分の体のコントロール方法を学ぶため
運動を通して、自分自身の体のコントロール方法を学び、自分自身のイメージとパワーコントロールのズレを減らします。
3.自己肯定感を高めるため
「できた」という自己肯定感の向上を目的とする一面もあります。運動には勝敗にこだわるものばかりではなく、机に座って行う学習に比べると、プログラムの内容を慎重に考えれば「できない」を限りなく減らすことも可能です。
4.ストレスを発散するため
運動で充分に体を動かしてからパワーを発散したり、頑張って着席して療育に取り組んだご褒美として楽しく体を動かすなど、子どもにとってできる限りストレスを減らします。
運動療育の効果について
1.感覚統合のトレーニングになる
感覚統合とは複数の感覚を整理することが出来ます。私達は日常生活の中で無意識に感覚統合を行っています。全身で感じるさまざまな刺激の中から、必要な刺激や情報を連動させています。
全身にさまざまな刺激を受け情報を整理しながらプログラムを行います。これにより、必要な情報を優先したり、不要な情報を意識的に排除する感覚統合のトレーニングになります。
2.脳細胞の成長を促す
運動をして体の動きと共に脳を働かせると脳の発達を促す効果もあります。
療育に用いられる基本的な2つの運動
1.粗大運動
粗大運動とは、姿勢を保ったり移動したりする運動のことです。走る、歩く、飛び跳ねる、座る、立つ、体を捻るなど体を大きく動かす運動を粗大運動といいます。
2.微細運動
微細運動とは手、指、脚などを使って行う細かい動きのことを言います。小さなものを掴む動きや積み木なども微細運動を用いた行動です。さらに、字や絵を書く、工作を行うことも微細運動のひとつと言えます。
運動が苦手な方は、何が苦手なのかをと向き合って出来ることを増やして行くためにも基本的な運動方法を取り入れたプログラムにて練習を重ね出来ることを増やせるように関わりたいと思います。