図工嫌いにならないために
教室のプログラムの中でも図工が好きな子どもは多いです。
しかし、発達障がいのある子どもの中には苦手意識が強い子もいます。
様々な理由がありますが、その根底には障がいの特性があります。
1つ目は手先の感覚が鈍いことです。
細かい作業が苦手で道具や材料をうまく扱えないため、アイデアがあっても実現することが難しいです。
2つ目は認識する力が弱いことです。
顔の中の目や鼻の位置関係などが捉えにくいため、同じものを見ても他の子どもと異なる捉え方になってしまいます。
3つ目は想像力が弱く、抽象的なイメージが出来ないことです。
テーマが自由になるほど難しいと感じてしまうのです。
障がいがあるから、これらを必ずもっているわけではありません。
しかし、1つでもあれば苦手意識を持つ可能性は十分にあるでしょう。
自分の思いを上手く表現できないことを、わかってもらえないのは苦しいものです。
しかし図工嫌いを、本人の能力という理由で片付けるのはどうかと考えます。
保護者や指導者、周囲の人間が嫌いを進めていないでしょうか
図工の目指す目的を誤解していないでしょうか
例えば1枚の風景画を子どもが描いた時、写実的かどうかで良し悪しを語る人は多いです。
しかし、決して写実的な作品が良いという訳ではありません。そんなに写実的が良いのなら、カメラで写真を撮るという手段もあります。
大切なことは、本物そっくりに作るのが絶対的価値ではないということです。
では何が一番大切なのでしょう
子どもの作品なら子どもが何を伝えたいか、何に驚いたか、何に感動したか、何を表現したいかになってきます。伝えたいものを実物より大きく、詳しく、非現的な構図、大胆な色使いで表せることはとても素晴らしいです。
図工の目的とは表現することの大切さ、楽しさにあります。
子どもか図工を好きになるには、表現の楽しさを実感することが大事です。
そのためには、まず作ることを褒める、一緒に楽しむことから始めてみませんか