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放ナビコラム

子どもを育てる2つの視点

子どもを育てる、またはそれをサポートする立場に立った時、その子がどのような特性の子であったとしても、社会で少しでもスムーズに生きていけるようにする、という事がひとつの長期目標になると思います。

そして、その目標へ近付くために、身辺自立、社会性の獲得、学力の向上などを目指すことになります。周囲の人と一緒に社会生活を送る上で必要となる、適切な価値観や習慣を身に付け、反対に不適切な反応や習慣は、環境を整えたり時に叱ったりしながら、減らしていくよう促します。レベルやペースは千差万別で、その子に合った方法を模索していきます。

この時接する大人は、その子が階段を1段上がれるよう、少し上から引き上げるような視点になるかと思います。
その子自身が生きやすくなる為に、社会での生活を見据えたスキルを身に付けることはとても大切です。

ここで、子どもを育てる視点にはもうひとつあるように思います。

それは、社会での生活はひとまず置いておいて、その子の世界をただ全面的に認めるという視点です。

社会という外側の世界からその子を見るのではなく、その子が持つユニークな世界の中に入り、どんなものが好きか、何をすると楽しいか、どんなこだわりがあって、だから何をするのが嫌なのか…その子の目線を想像し、気持ちに寄り添います。
社会の価値観と合わずに認められないものもあるかもしれませんが、認められない時に感じているもどかしさは、共感したり労ることができます。

自分の中の世界、つまり自分でもどうしようもない性質や気持ちが認めてもらえた時、外側へと関心が向き、社会と繋がることへのエネルギーに変わるように思います。

いつでもどこでも、全面的にその子の行動を否定せず手放しで認める事は出来ませんし、それが良いわけでもありません。しかし、その子の世界に寄り添う視点は、社会で生きる為に成長していく際の土台になります。

寄り添って隣にとどまる視点、1段上へと引き上げるの視点、2つの目を持って、その子が持つ成長する力を信じて接していきたいと感じます。

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