小児リハビリとは?
小児リハビリとは?
リハビリと聞いてどんなものを想像しますか?
・手術の後おじいちゃん、おばあちゃんが病院で歩く練習をしている
・スポーツ選手がケガから復帰するためのトレーニング…
リハビリには様々な種類がありますが、小児リハビリ(以下、小児リハ)はまだ習得していない能力やスキルを発達させ、成長とともに身につけていくプロセスと言われています。
子どもの発達段階では言語能力、運動能力、社会的なスキルなどが徐々に向上していきます。
その中で小児リハは発達の遅れや障害を持つ子どもたちが、最大限に自己の潜在能力を発揮できるように支援するための手段として用いられます。
そのため大人は「元々備わっていた能力を取り戻すためのリハビリ」
子どもは「これから必要な能力を0から身につけるためのリハビリ」と考えて頂けると想像しやすいかと思います。
小児リハビリの基本
対象年齢:0歳~18歳程度
対象となる診断名:脳性まひ、脊髄性疾患(二分脊椎等)、運動発達の遅れ、ダウン症などの染色体異常、自閉症スペクトラム、ADHD(注意欠如多動症)、学習障害、知的障害、発達遅延など
小児リハビリってどんなことをするの?
先天性疾患を持った児童の場合、運動面では運動麻痺や姿勢不良、体の変形に対して、関節や動かしやすくする体操や姿勢をきれいに保つための運動を行います。
学習面では知的障害や発達遅延に対して、鉛筆の持ち方を指導したり、器具を用いて数の概念を理解してもらうリハビリを行います。
生活面ではコミュニケーションが苦手、周囲に合わせて行動することが苦手、手洗いやトイレなどの生活スキルが身についていないなど、生活に支障が生じている児童に対して、各場面環境での自己管理方法を指導します。
また上記の内容を“遊び”の中で身につけていく考え方が、小児リハビリの特徴的な点です。
なぜ“トレーニング”ではなく“遊び”なの?
子どもの成長において重要な要素の一つとして「自主性」が挙げられます。
例えば、車のおもちゃが好きな男の子に対して、子どもの手を持ち一緒に車を走らせるのと、目の前で車の動かし方を見せ後は児童に遊び方を任せるのとでは、どちらの方が車の動かし方を覚えれるでしょうか?
前者は車で遊ぶ時には大人を呼び、車を動かすよう何か訴えることでコミュニケーション機能の成長が見込めます。
後者は動かし方を頭で想像し模倣する事で“走らす”、“転がす”、“滑らす”といった様々な感覚機能の成長が見込めます。
もちろん発達状況によって上記は異なるため、どちらが正解といった事はありません。
小児リハビリとは“遊び”の中にコミュニケーションや感覚機能向上など様々な要素を取り入れ、それらを身につける事が楽しい=“遊び”と意識付けを行うものであり、自然と子どもの成長を促すサービスの一つと思って頂けると幸いです。