発達障害児のお勉強が身につくようになる方法~環境編~
発達障害児にとっても勉強が必要なことということは分かっている。だからこそ、ゆっくりと理解していく我が子に家でもお勉強を教えてあげたい。将来一人で生きていけるように学力をしっかり身につけてほしい。と考えることは当然の親心でしょう。
しかし、
「勉強しなさい」
「宿題やったの?」
と言ってもなかなか取り組もうとしないしやっても出来ていないことが目について焦りと不安でイライラして結局叱りつけてしまう・・・。
どうしたら発達障害児が勉強できるようになるのか。そんな悩みを抱えている親御さんはとても多いと思います。
今回は発達障害児さんの家庭での宿題や、お勉強を習慣化させるコツをお話ししたいと思います。
お勉強を習慣化させるコツとは?
①宿題・勉強をするタイミングを決める
発達障害児さんの多くは先の見通しを立てて行動することが苦手です。逆に決まったスケジュールをこなすことは得意です。
そこで、まず宿題や勉強をするタイミングをきっちり決めます。時間をきっちり決めてもいいでしょう。平日は学校から帰ったらあと、休日は朝ごはんの後などと決めてもいいです。
お子さんと話し合って決めるとやる気にも繋がるかもしれません。
お勉強タイムの後におやつや好きなことをする時間を設定してあげるのもポイントです。お勉強のご褒美となるので良い効果が生まれると思います。
また、言葉だけで「ご飯のあと宿題よ」と伝えても発達障害児さんには伝わりにくいのが特徴です。ホワイトボードなどに写真や文字でスケジュールを示してあげましょう。
お子さんも理解しやすくなります。
スケジュール表は、インターネットで検索をしてみてください。市販されているものや個人で作ったスケジュール表の画像がたくさん掲載されています。参考にしてみるといいかもしれませんね。
②勉強する場所を決める
場所は、子ども部屋でもいいですし、リビング等親御さんの目の届くところでも良いでしょう。大事なことは勉強に集中できる環境を整えてあげることです。
ゲームやおもちゃは目に入らない場所に片付けましょう。テレビや携帯の動画ももちろん消しましょう。
勉強の習慣が身につくまでは親御さんも最後まで見守ってあげることが大切です。様子を見ながら徐々に1人で取り組む時間を増やしていきましょう。
ピリピリとした雰囲気の中ではお子さんも緊張してしまいます。柔らかい雰囲気づくりを心がけましょう。
③その日の目標を決める
勉強をさせたいと意気込む親御さんの中には、子どもにとってはハードルの高い目標を設定している場合があります。
子どもがどこでつまづいてているのか、何を苦手と感じているのか見極めましょう。
そして、今の子どもの現状レベルより少しだけ高いレベルを目標にしましょう。
また、取り組む量も大切です。もともと勉強に苦手意識を感じているお子さんはプリント1枚見せただけでも拒否反応を示します。
ですから、まずは1問だけでもいいので取り組ませてみましょう。そして1問だけでも最後まで取り組めたら出来たことをしっかり認めてあげましょう。
量は子どもの様子を見ながら、少しずつ増やしていけばいいのです。
勉強の習慣化のコツは達成感
お勉強を習慣化させるためのコツ、いかがでしたか?
筆者は現在、小学生から高校生までの障害を抱えたお子さんと関わっています。
彼らに「勉強できるようになりたいでしょう?」と聞くと、決まって「うん」と返ってきます。
子どもたちだって決して勉強ができなくてもいい、と思っているわけではないのです。そんな発達障害児さんのお勉強や宿題の習慣化に大切なことは、子どもたちが「できた!」と達成感を感じることです。
①勉強のタイミングを決める
②勉強する場所を決める
③目標を決める
はその達成感を感じさせるための必要な要素だと思います。親御さんの生活リズムを変えることは難しいことかもしれません。
しかし、子ども達の将来のために試してみてはいかがでしょうか。