行動の動機付け
〈なぜ~するの?理由は?〉
何か行動を起こす時、又は何かをしている時にこの質問をされて即座に答えられますか?
〈~をしよう!〉
と自身で考えて行動する時は、その行動が目的に対する手段となっており答えやすいです。
しかし、無意識に行動している場合や何か指示されて行動している場合、一瞬「え?!」となった経験はありませんか。
人は目的を持って行動する時は、自身の考えで行動する為ストレスを感じにくいそうです。
一方、行動が受動的な時は、ストレスを感じたり、不平不満が出たりすることもあります。
受け身だった行動そのものの意味と目的を理解した時、主体的な行動に変わります。
そのため、ストレスなどマイナス思考は解消されることもあります。
では、常に指示されている子どもの場合について考えてみましょう。
〈~しなさい〉
と子どもの行動の一つひとつに対して親が先回りし、指示を出し続けたらどうなるでしょうか。
・早く勉強しなさい!
・おしゃべりしないで早くご飯を食べなさい!
・○○の習い事に行きなさい!
素直に従い続けた場合は、受動的に行動することに慣れてしまいいずれ自身で考えて行動することが苦手になります。
また、子どもも成長し「言う通りにしたくない!」「お母さんはうるさい」と反抗的な態度で返してくることもあるでしょう。
「なぜ早くしないといけないの?」と質問されることもあるでしょう。
何度も言われ続け、指示が右から左へ流れてしまい聞こえなくなる場合もあります。
そうなると、つい口出しをしてしまいますよね。
なぜそれをするのか、したくないのか。
なぜそれをしたらいいのか、伝える大人の側には理由があります。
人生の経験がある為、良い方法を知っているからです。
しかし子どもには、心の底に秘めた思いがあるはずです。
子どもの心の声を聞いてみましょう。
言葉で伝えることが難しくても、表情などを注視し汲み取ってみましょう。
どうしても何かをしなければならない時は、目的と方法も伝えてみましょう。
〈なぜ~したの?〉
と、行動の後(結果)に対してだと攻撃になることもあるので、必ず何か行動をする前に伝えましょう。
例)
○ コップを両手で持ってよく見て運ぼうね。中のジュースをこぼさずに運べるよ。
× なぜジュースをこぼすの!
よそ見して運ぶからこぼれるんだよ!
子ども主体なのか、大人の都合なのかも考えてみましょう。子ども主体だと前者の伝え方が出来るはずです。
また子どもがチャレンジ中ならば、大人は余裕の態度で見守りましょう。
あえて失敗することで経験を積み、そこからなぜ~しなければならないのかを学んでいく方法もあります。
言葉での表現が難しい場合は、絵カードや写真などの視覚支援要素を用い、まずは選択肢を二つに絞りながら子供が選択しやすいように導いて行くのも効果的です。
「こうしたらこうなる」の予測ができれば、〈なぜ~するの?〉かが、より理解しやすくなります。
子どもの思いを尊重し、どうしたいのかを引き出す声掛けを今一度考えてみましょう。
一人ひとりの個性が活かされ、子どもの主体的な行動が増えていけば素敵だなと思います。