障害がわかったら受ける”療育”っていったい何???
自分の子どもに障害があるとわかったら療育を受けるようになると思います。
でも、「療育」って何でしょうか?
どんな療育方法があり、どんな効果があるのでしょうか。
今回のテーマは「療育の種類と効果」についてです。
療育は医療と保育、または医療と教育を合わせて作られた言葉です。障害を持っているお子さんや学習・身体発達に遅れのあるお子さんに、学習、言語、体の動かし方や日常生活スキル、コミュニケーションスキルの指導や向上を目的に行っていきます。
それでは具体的な方法とそれぞれの療育の目的を説明します。
TEACCH(ティーチ)
自閉症者本人と家族を対象に、障害を持っていても自分らしく生きがいを感じて生活できるよう、生涯にわたってプログラムを設計し続けます。自閉症の独特な特徴を「一般の人とは違う者」として捉えるのではなくとして捉え、彼らの常識を私たちが理解し受け入れ、彼らが社会で自分らしく生きられるように環境を整えていこうという考え方のもと療育を行います。
SST(ソーシャルスキルトレーニング)
社会で生きていくために必要な人との関わり方、集団での行動の仕方やルールを守れるようにトレーニングします。ソーシャルスキルは本来自然と身につけていくものですが、障害があると習得が難しいため療育を行います。
PECS(ぺクス)・マカトン法
どちらもコミュニケーションスキルの向上を目的に行われる療育です。PECSは絵カードを用いて行い、マカトン法は言葉で話すと同時に動作によるサインや線画を表示してコミュニケーションをとれるようにしていきます。マカトンは手話とは違い簡単な動作で表現するため身体的な障害や知的に遅れがあっても覚えやすいようになっています。
認知行動療法
イライラや怒り、他害や癇癪などの困った行動はある出来事をどう捉えたかによって現れると考えられています。認知行動療法はこの捉え方を変えるよう関わることで、困った行動を減らし、子ども自身で感情や行動をコントロールできるようになることを目的に療育を行います。しかし会話を通して子どもの認知を探るため、言葉を理解できているお子さんが対象です。
応用行動療法
応用行動療法は、社会で生活する中で困った行動をするお子さんが主な対象です。特定のことにこだわる、自分や友達を攻撃する、癇癪を起すなどの困った行動の原因を、周囲のモノや人との関係の中で探りながら改善を図る療育方法です。行動の理由に目を向けるので、自分の子どもがなぜ問題行動を起こすのか理解できるようになります。
理学療法(PT)・作業療法(OT)・言語療法・言語聴覚療法(ST)
理学療法(PT)
身体の能力を伸ばすための療育です。立つ・座る・起きるなどの基本的な動作から身体能力を伸ばすための療育です。立つ・座る・起きる、お風呂に入る、排泄をする、着替えをするなど、日常生活に必要な基本的な動作を身につけられるよう療育します。
作業療法(OT)
すでに出来るようになった身体能力をさらに伸ばしていくための療育です。将来の就労
に繋がるよう療育を行います。
言語療法・言語聴覚療法
言葉を話すこと、聞くことに障害がある子どもたちが主な対象です。発声や発話の仕方、人とコミュニケーションがとれるように療育します。
音楽療法
歌や楽器遊び、リズム遊びを通してコミュニケーションスキルや社会性が身につくよう療育します。
お子さんに合った療育施設を選びましょう
同じ療育方法でも施設によってアプローチの仕方や考え方が違います。まずは専門機関で相談員さんにどんな療育が良いか相談し、実際に療育施設を見てお子さんに合いそうかどうかを見極めましょう。