集団遊びから学ぶルールの大切さ
「かくれんぼ」や「鬼ごっこ」などの遊びは楽しめるようになるのが、3~4歳頃といわれています。
このような遊びをつうじて、子どもたちは集団の中では守らなくてはならないルールがあり、我慢することを少しずつ覚えていきます。
また、遊びのルールを守る上でじっとしていなくてはならない場面があり、それにより感情や行動のコントロールが身に付きます。
しかし、発達障がい児の中には、集団遊びのルールが理解しにくい子もいます。
故意にルールを破っているのではなく、ルールそのものを理解していないという可能性があります。
発達障がいがあると、他の子が比較的たやすく理解できるルールでも、理解に時間がかかることがあります。
また、一度記憶したことを意識し続けておくことが難しい傾向があるため、ルールを忘れてしまっている可能性もあるのです。
ルールが理解できていないと考えられる時は、大人が一緒に動き、見本を見せてあげましょう。
その上で、他の子にはその子はルールがよくわかっていなかったのであり、わざとルール違反をしたのではないことを証明します。
「わがままな子」という誤った印象を持たれないような配慮も必要です。
また、ルールがわからなくても、子どもを叱ったり責めたりしないことが大切です。
本人に悪気がないのに叱責すると、子どもの遊びへの興味や意欲が薄れてしまいます。
遊び始める前に図やイラストなどを使うと、他の子にとってもわかりやすくなります。
その他に、理解できるルールに変えて遊ぶ方法もあります。
「鬼にタッチされた人が鬼になる」というルールがわかりにくいのであれば、追いかけるグループが逃げるグループの子を全員タッチしたら終了という風にしましょう。
家庭では、親や兄弟と一緒にトランプやボードゲームなどをやってみても良いでしょう。
積極的にチャレンジできるよう、簡単なものに限るようにします。
ルールを無理やり詰め込もうとせず、楽しみながら色々なことに興味を示せる雰囲気作りが大切です。
発達障がい児にとっては、社会のルールをすぐに身に付けることは難しいですが、繰り返し教えていくうちに、少しずつ理解し習慣が身に付くようになります。
そのためには、幼児期の頃から教えていくことが効果的です。