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発達障害児の問題行動は親の躾が原因?

発達障害児を抱える親御さんの悩みとして多いのが問題行動についてです。
優しく諭すように言葉をかけてみても、きつく叱りつけても問題行動がやまない。
周囲には迷惑がかかるし、将来のことを考えれば無くしたいですよね。
しかし、その問題行動には発達障害児に関わる大人の関わり方にも原因があるのです。

人間の行動原理について

”発達障害児の問題行動が大人にも原因がある”ということを説明する前に、まず人の行動原理についてお話しします。

人は、様々なきっかけから行動を取ります。
そして行動の結果、その人にとって良い結果であればその行動は増え、その後もその行動を繰り返すようになります
逆に、何も結果がない、または不快な結果を受ければ行動は減りしなくなります

例えば、
お母さんからお手伝いを頼まれると素直に応じるお子さんがいるとします。
このお子さんは、お手伝いをした結果「ありがとう」という感謝の言葉が嬉しくて、その後も応じるようになったと考えられます。
逆に、お手伝いを頼んでも嫌がるお子さんがいるでしょう。
それは、お手伝いをした後できていない部分を叱られた、くどくどとお説教をされたなど、嫌な結果が起きたと考えられます。

この様に行動の後の結果が次の行動に影響を与えるのです。

発達障害児の問題行動の原因は?

ではなぜ、発達障害児の問題行動は、大人に原因があるのでしょうか。
それは、子どもが問題行動を取ったあと周囲の大人が子どもたちに何かしらのいい結果を与えているからです。

(具体例①)

筆者が関わってきたお子さんの中に、「勉強をするよ」と声をかけると暴言を吐きながら物を投げるお子さんがいました。

このお子さんは、以前にもお母さんから「勉強するよ」と言われた時、暴言を吐きながら物を投げることで、勉強をせずに済んだという自分にとって良い経験をしていました
ですから、同じような場面に出くわすと暴言を吐きながら物を投げる、という行動を取るようになったのです。

(具体例②)

親御さんがお客さんに対応していると、高いところに登ることや玄関から脱走するお子さんがいました。
これはお子さんが退屈に感じているときに多くあることがわかりました。
そして、お母さんの「やめなさい!」という言葉かけや追いかけられることが嬉しくて増えるようになったということがわかったのです。

この様な場合、親御さんが叱りつけても、逆に優しく声をかけてもこの行動を繰り返すようになります。
なぜなら、お子さんは親御さんに構ってもらえたという良い結果を得ることになるからです。

自分の関わり方を見直してみよう

全ての問題行動が親御さんに原因があるというわけではありません。
しかし、例からもわかるように、問題行動の後の親御さんの関わり方がその後の行動を左右することは事実です。
良かれと思って行っている躾が逆に問題行動を増加させている場合もあるのです。

具体例②のお子さんからもわかるように、はたから見れば悪そうな結果でも、本人が良い結果と思えば問題行動は繰り返されます。

お子さんの問題行動に直面した時、子どもの行動にばかり目を向けるのではなく、自分自身の関わり方も見つめなおしてみてください。
親の変化がきっとお子さんにもいい影響を与えることでしょう。

 

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