HSPと発達障がい
最近、書籍やテレビで取り上げられることが増えてきた「HSP」
Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)
「生まれつき超繊細な人」という意味で、頭文字を取って「HSP」と呼ばれています。
子どもの場合は、意味は同じですがPersonをChildに変えて「HSC」と呼ばれることもあります。
臨床心理学のエレイン・N・アーロン博士が提唱した概念であって、医学用語ではありません。
その為お医者様であっても「HSP」をご存知ない場合があり、また病気ではないので投薬や治療を行って治すことは出来ません。
HSPの特性
*何気なく言われた些細な一言に傷つく。
*小さなことでも落ち込みやすい。
*周りに気を使いすぎて疲れる。
*感受性が豊か。
*人が怒られているのに自分が怒られているような感覚になる。
*1つ注意を受けると、自分自身を全否定されている感覚になる。
*人の意見に同調しやすい。
*必要以上に心配してしまう。
*何事も深く考えすぎてしまう。
*自己肯定感が低い。
*音・光・風・香りのような細かなことも気になる。
*色々なことに気が散ってしまい、集中しづらい。
などがあります。
現在では、5人に1人が「HSP」の特性を持っていると言われています。
意外と多いと思いませんか?
この割合を聞くと、悩んでいるのは自分だけじゃないのか!と気持ちが少し楽になれるのではないでしょうか。
HSPと発達障がい
音・光・風・香りなど細かなことが気になってしまう点は、多くの発達障がいの方が持っていると言われている感覚過敏によく似ています。
気が散りやすい点は、ADHDの特性と似ています。
その為「自分はHSP?発達障がい?」と悩まれている方もいるようです。
HSPと発達障がいの違い
HSPは、人より繊細すぎるために生き辛さを感じる・空気を読みすぎる
発達障がいは脳機能に問題がある為、生き辛さを感じる・空気を読むのが苦手
この点が決定的に違います。
例えば、クラスで不人気な「係り決め」をしているとしましょう。
HSPの方は、
「誰か立候補してよ!」とみんなが心の中で考えているだろうなぁと想像し、
みんなが嫌がっている・押し付けあっている雰囲気に耐えきれなくなり早く決まった方がみんな喜ぶだろうなぁ~と空気を読んで、やりたくもないのに立候補してしまうのです。
発達障がいの方は、私には関係ない!と空気を読もうとはしないのです。
HSPの対処法
対処法としては、
自分の特性であるHSPを受け入れる!です。
生き辛かったり、悪い部分が目立ってしまいがちなHSPですが、人の気持ちが理解できる・感受性が豊かで芸術家に向いている・1つの事を探究することが出来る、など素晴らしい部分もたくさんあります。
この様な素晴らしい部分に目を向けてみてはいかがでしょうか?
なかなか難しいことかとは思いますが「私は私!」と、HSPの特性を持っている自分自身を受け入れてあげるのです。
そして、ストレスを減らす為に光や他人の目線が気になる場合にはサングラス、音が気になる場合にはイヤホンやイヤーマフや耳栓、風が気になる場合にはマスクや長袖を着用するなどして、出来る範囲で工夫をすることも大切です。
HSPの方は空気を読みすぎてしまう為に、知らず知らずのうちにストレスがたまり自律神経が乱れ・寝付けない・お腹を下す・疲れきる・過呼吸を起こす…など身体に影響が出るなど、ひどくなると鬱症状が現れる場合があります。
自分自身の特性を受け入れるのが難しい場合・生き辛さを強く感じる場合には、悩みを軽くする為にも心療内科などでカウンセリングを受けることをお勧め致します。