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放ナビコラム

発達障がい Aくんとの出会いの中で

今回は、私が過去に出会った発達障がいのAくんについてお話します。

睨みつける鋭い目つき。暴言。暴力。獣のような体臭。
そんなAくんに出会ったのは、Aくんが小学2年生の時でした。2年生とは思えない太々しいAくんに私は恐怖を感じていました。

ただ自分を認めてほしい。それだけ。

夏でもお風呂に入っていない日があり、服も何日かそのままで、冬の寒い日も靴下すら履いていない状態でした。
自分の思い通りにならないと、物を投げたり、人を蹴ったりして暴れます。
そんなAくんのことを、周りの人は避けていました。ただAくんが求めていたのは母親の愛情でした。
母親の愛情が欲しくて、母親の姿を捜し、姿を見つけると追いかけるのです。

そんなAくんとたくさん外で遊びました。たくさん話をしました。時には、暴れて、引っ掻かれたり、蹴られたりしました。
そんな時は、ただただ落ち着くまで待ったりギュッと抱きしめたりしました。

そうして、Aくんと過ごしていく中でAくんの表情は少しずつ柔らかくなっていきました。
感情のコントロールもできるようになり、すぐにカッとなることも少なくなったのです。数年間で、Aくんはとても大きく成長しました。

Aくんが求めていたのは、自分の存在価値でした。 Aくんが暴れるのは「自分を認めてほしいし」という叫びだったのです。

~本気で向き合う~

子どもは大人の表情や行動をよく見ています。最初は私もAくんに対して、恐怖心を抱きながら、遠慮がちに接していました。
しかし、それでは心を開いてくれません。

本気で叱って、本気で抱きしめ、とことん向き合うことこそが、大切です。 Aくんとの出会いで、私はそのことに気づかされました。

大人が子どもと本気で向き合うことこそ、その子の「生きる力」を支えることができるのです。

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