マカトン法から手話へ
日本には身体障害手帳を保持する聴覚者または言語障害者は約34万人。
また、音は聞こえるものの言葉として理解出来ない聴覚情報処理障害者は約120万人。
そういう人たちとコミュニケーションをとる方法にジェスチャー、筆談、絵、マカトン法などがあります。
私は身近に聴覚障害者がいる事もあり、手話奉仕員養成講座に2年間通いました。
手話通訳士という職業がありますが最低でも8年はかかると言われているほど手話の世界は奥深く、簡単に習得出来るものではありません。
そこで、手話よりも簡単で、療育にも用いられるマカトン法があります。
【マカトン法】
ことばや精神の発達の遅れのある人の対話の為に英国で考案された手話法をルーツにしたコミュニケーション法。
手話との大きな違いは、単語が少なく動作も簡略化されています。その為、身体に不自由が有る場合や知的障害がある場合でも、動作を行いやすいという特徴があります。
【マカトンの特徴】
①ことば
②手話のような動作
③線画によるマークやカード
手話は1語を2つ以上の動作で表す複雑な動作がありますがマカトンは1語を1動作で表します。
知的障害や自閉症・ダウン症などの障害を持つ人にも多く利用されており、発達がゆっくりな子どもへの言語と文字のトレーニングとして使われています。
例、ちょうだい、おしまい、おいしい等
手話は難しくてもマカトン法を用いる事で表現できる思いや言葉が広がります。
更にマカトン法が定着すれば、2語、3語と繋げて最終的には手話が出来るようになります。
とは言っても、手話は相手も手話を読み取れる力がないと伝わりません。
手話が誰もが分かる共通言語になって欲しいと、ろう者の方々は口を揃えて言われています。
昨今、手話を用いたドラマの影響もあって手話に関心が高まっています。
手話が広がる事によって、聴覚障害、聴覚情報処理障害の人々が生きやすい世の中になるでしょう。
自閉症、発達障害で生きづらさを抱える子どもたちにはマカトン法で思いを伝え合える喜びを知るでしょう。
簡単なコミュニケーションツール、生きやすいツールとしてまずは療育現場で実践していきましょう。